体内金属や手術の既往などが全く不明のままMRI検査を実施することは非常に危険です。患者さんに検査が受けられない不利益が生じるかもしれませんが、患者さんの命を奪うかもしれないことを考えると致し方ないと考えます。絶対にMRI検査をしなければならないという状況が発生しない限り、CTなど他の検査法を選択すべきと考えます。CT検査によって重要器官に金属がないということが判明すれば、追加検査としてMRI検査を実施すればいいと考えます。
認知症の患者さんがお一人で受診されることは少ないと考えますので、家族の方に状況を聞くとか、他院で問診を受けたうえでMRI検査を受けられた経験がないかなど聞いてみて、当該施設に問い合わせて確認する方法もあります。
即刻にMRI検査を実施しなければならない状況というのは実際には少ないと考えますので、じっくり安全を確保してから実施することでいいように思います。