ICタグの事故例は、バーコードのインク塗料に導電性のカーボン(酸化鉄)が含まれていたために火傷を負わせたと考えています。報告では、全身麻酔患者(128kg BMI40)に70分間の腰椎造影MRI検査後に右手首(リストバンド装着部)に水泡形成(電気的なやけど)をきたしたとあります。ただ、すべてのバーコードに導電性の金属が使われている訳ではありませんので、自施設で使われているリストバントのバーコードの成分を調べてください。導電性の金属が使われていなければ、切断してまで外す必要はありません。しかし、まだ事例を聞いたことがありませんが、汗による発熱も完全に否定しきれるものではありませんので、リストバンドを付けた被検者のMRI検査中の観察は怠ることはできません。