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2014年の「磁石で固定するタイプの入れ歯がある患者のMRI検査は可能でしょうか?」という質問に対して、

義歯の土台部分(磁性アタッチメントにおいては、キーパーと呼ぶそうです)に磁石を使用したものに注意が必要とのご回答があります。

ところが、2012年に日本時期歯科学会監修で作成された「歯科用磁性アタッチメント装着者のMRI安全基準マニュアル」によると、「キーパーは磁石ではないので、義歯を外して撮像を行った場合、磁石の吸着が損なわれる心配はない」と記載があります。

私なりに調べてみたところ、1992年に磁性アタッチメントとして日本で製品化されてた当初からキーパーに磁石を用いている製品は無いようですが、どのように解釈すればよろしいでしょうか。

 

参考文献:

 「磁性アタッチメントとMRI」 歯科用磁性アタッチメント装着時のMRI安全基準マニュアル, 日本磁気歯科学会雑誌(0918-9629) 21巻1号 Page91-110(2012.12).

 磁性アタッチメントの履歴と指針, 日補綴会誌 Ann Jpn Prosthodont Soc 6 : 343-350, 2014.

  田中貴信, 磁性アタッチメント―磁石を利用した新しい補綴治療, 東京:医歯薬出版;1992.
歯科インプラント・義歯
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2012年の日本磁気歯科学会のマニュアル記載されている「キーパは磁石ではないので、義歯を外して撮像すれば大丈夫である」の文言に則って撮像していただければ大丈夫です。ただしキーパは強く吸引されますので、キーパが緩んでいたりガタついていたりするとキーパが外れる可能性がありますので注意してください。なお我々の実験では5~6回程度のガントリへの出し入れで、キーパが磁化されることはほぼないと考えています。

2014年の認定機構の回答も上記と同様の意味に記載したつもりでしたが、義歯の土台部分という言葉が「取り外す側の義歯の土台である」というように捉えられ誤解を生んだのだと思います。その時から専門用語を使えばよかったのかもしれません。

日本に歯茎側のキーパに磁石を埋め込んだアタッチメントが絶対に存在しないということになれば、ご指摘いただいている注意書きを外す方が望ましいのかもしれませんが、磁性アタッチメント方式の入れ歯がなぜMRI禁忌なのかを理解していただくためにも、しばらくそのままにしておきたいと考えます。


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