「使用できない」と考えるが一般的です。
理由は、非常事態に陥ってもまずは胸骨圧迫を試みますので、その間にMRI検査室から退出可能だと考えます。次の救命処置を考えると検査室外に退出して対処する方がすべての面で安全です。
AEDをMRI検査室内での使用を想定すると、1)AEDがどの程度の静磁場強度まで正常に動作するか、2)強力な電磁石の近くで高電流を発生させても大丈夫なのか、3)目一杯ケーブルを延ばしたとしても電極板から発せられる電流が磁束の影響を受けないのか、4)心電図を正常に読み取れるのか、などのリスク要因が考えられます。
メーカに問い合わせると、「AEDはIECのEMC基準に則って作成されていますが、強い静磁場や電磁波の影響下での使用に対しての安全性ならびに正常動作(心電図にノイズが混入して正確に読み取れないなど)の保障はできない」との回答をいただきました。ただし、ペースメーカが影響を受けるとされる高圧送電線の下での使用に関しては、今まで問題が起こったことはないとのことでした。