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ギャバロン髄注手帳を持参していたので手帳を確認するとMRIに関する記載の中には注意事項を確認の上撮影と記載されていました。

しかし撮影に関する注意事項はどこにも記載されておりません。至急依頼だったのでとりあえず医師に確認後SARを2.0W/kgに下げて撮影を実施。撮影後、植込み式ポンプが一時的停止すると手帳に記載されていたので担当者に報告しました。当院では1.5Tを使用しております。

インタ-ネットで植込み式ポンプ、カテ-テルの製造元にアクセスしたもののITB療法に関してのMRI使用条件に関する記載がありませんでした。

撮影条件は適正だったのでしょうか?教えて下さい。
医療機器・器具
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このポンプ(プログラム式植込み型輸液ポンプ)を植込んだ方がMRI検査に入室すると、ポンプのモータが停止し、薬液の注入が中断されるようです(退出すると自動復帰する)。しかしながら、自動復帰の遅れやイベントログへの記録の遅れが生じることがあったり、ボアの長軸方向に対してポンプが垂直の位置関係にあるとポンプが永久停止を起こすなど、生命に係わる重篤な障害が生じる可能性もあるようです。また、ポンプの発熱による周辺組織の温度上昇やスキャン中の末梢神経の刺激感または植込み部位が引っ張られるような感覚が生じる可能性があると添付文書に記載されています。

実施にあたって以下の注意が必要です。1)適応するMRI装置はトンネル型3.0T未満のMRI装置で、3.0Tを上回るMRIやオープン型、立位型などではポンプの動作保証はない。2)患者にとって薬剤投与の一時中断が臨床的に可能かをMRI検査前に判断し、適宜経口投与などを検討する。3)薬剤送液の中止によって患者の安全確保が懸念される場合は、MRI実施中に医師が立ち会って監視する。4)MRI使用に際して、ポンプ停止(Stopped Pump Mode)をプログラムすることは推奨しない。5)MRI実施前に、ボアの長軸方向に対してポンプが垂直の位置になっていないことを必ず確認する。6)弾性のある衣服または包帯などによってポンプが動くのを防止し、引っ張られる感覚を最小限にする。7MRI中に患者がポンプ付近に不快な暖かさや刺激を感じた場合は、MRIを停止しSAR値を適切なレベルまで下げる。8MRI終了後にプログラマでポンプ設定条件に変更がないことおよび異常がないことを確認する。9)イベントログによってポンプの停止と自動復帰を確認する。インテロゲートを2度行っても自動復帰を示す記録がない場合は機能停止が続いている可能性があるので、メーカに迅速に連絡をする。

1.5TでSARを下げて検査を実施されたことは適切であったと思いますが、検査前の危険回避事項や終了後の確認事項が抜けた可能性がありますので、MRI終了後にポンプが正常モードに復帰し、患者に異常をきたしていないことを確認してください。

​以下の添付文書をご参照ください。http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/md/PDF/530366/530366_21700BZY00202000_A_01_02.pdf http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/md/PDF/530366/530366_21900BZX00759000_A_01_05.pdf

             


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