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MRIボランティア撮像において、学会発表等で使用するために倫理審査を通すというものではなく、条件調整や複雑な検査の事前の練習等で、放射線技師同士で撮像を行う際の正式な指針等はありますでしょうか?

現在は多くの施設において、「MRIはCT等とは違い、人体に害がない」という理由から、特に手続きや院内倫理委員会への承認等なく、上記ボランティア撮像を行っているかと思いますが、それは認められている行為なのでしょうか?

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学会発表の有無にかかわらず私たちが未知の領域にチャレンジする場合(条件決めも含む)に、その目的が正当であるか、ボランティアの人権を侵害していないか、方法が理にかなっているか、などを第三者の識者の判断を仰ぐ(倫理審査を受審する)という原理原則は同じだと考えます。しかしながら、医療技術分野では撮像条件の設定や試行(リハビリテーションなども含めて)のために技術者自身がボランティアになって検証しなければならない状況もあります。だからと言って、倫理審査委員会の承認を受けなくてもよいとは言えません。現状では指針などは発令されていないように思いますが、グレーゾーンであるという認識での対応が必要だと考えます。

したがって倫理審査委員会の審査を受けていなくても、個人の尊厳を遵守することの社会的倫理は不変ですので、上司が後輩や部下にボランティア撮像を依頼する場合には、パワーハラスメントにならないようにインフォームド・コンセントを通じて、その内容を十分に説明し合意を得ておかなければなりません。例えば、①条件調整や検査の事前練習にボランティアが絶対に必要なことの説明、②ボランティアとして参加する判断の自由度、③ボランティアを行う時間の設定の自由度、④ボランティアを途中で辞退することの自由度、⑤ボランティアを拒否した場合に不利益を受けないことの証明、⑥ボランティアを途中で辞めても不利益を受けないことの証明、⑦ボランティアとして参加することに関して疑問がある場合の質問の自由度、などの内容をクリアしておく必要があります。また、撮像中や撮像後に不測に事態が発生した場合には、実施者(MR装置管理者)が全責任を負うということも自覚しておかなければなりません。

さらに非電離放射線やRFパルスの暴露に対して無害であるという根拠もありませんので、細心の注意を払ってボランティア撮像する必要があるのは言うまでもありません。

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