MRIの検査を長年経験している多くの技師に飲食物による画像の歪みの経験があるかを聞いてみましたが、経験したことのある方はおられませんでした。胃や十二指腸に水溶液が貯留している場合に、T2強調像による水の信号を消す(T2緩和時間を短縮する)塩化マンガン四水和物(ボースデル)を使った磁化率強調像による影響を調べた論文によると画像変化はなかったようです。また、肝特異性造影剤である超常磁性体酸化鉄(SPIO)にはフェルカルボトラン864mg(鉄として44.6mg)が含有されていますが、撮像画像に影響(歪み)が出たという経験はありません。
グラノーラの鉄含有量が5mgであるとすれば、他の一般的に流通している食品においても胃など食品の存在する部分が陰性になることはあっても3テスラ以下の装置で歪みが生じるほどには至らないと推測します。ただし、8テスラ以上の超高磁場装置で撮像すれば歪みが生じる可能性も否定できません。