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条件付きでMRI検査が可能な人工内耳が発売されていますが、指定とおりの処置を施しても磁石の回転やポケットからの逸脱事故が発生していると聞く半面、このような事例が発生しないように構造上の工夫が施された機種もあるようです。どのような改良がされたのでしょうか?

その他のインプラント
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質問に該当するのはメドエル社の製品かもしれません。以下にメドエル社からの情報資料を掲載します。しかしながら、この対策によって条件付きが解除されたわけではありません。操作モードや送信コイル、インプラントの固定などの制限があります。あくまで「条件付きでMRI検査可能な人工内耳」であることを強く認識してください。

1. 直径方向に磁化した磁石

 

 

 

旧来の人工内耳インプラントは、すべて高さ方向に磁化した磁石を用いていますが、SYNCHRONYのみ磁石が直径方向に磁化しています。MR検査時には、静磁場に対して仰臥位の姿勢を取るので人工内耳の磁石は矢状面上に位置します。SYNCHRONYの磁石は直径方向に磁化しており、かつ磁石筐体内で自由に回転可能であるため、MRI装置の静磁場に対して磁化方向を揃えることでトルクや減磁を抑制しています。  

   

[旧来型]<磁化の方向>[SYNCHRONY]      <静磁場に対する磁石の自動整列>

 

2. 磁石の形状

SYNCHRONYの磁石筐体は、2つの円錐を重ねた二重円錐形となっています。この磁石筐体は、皮膚に接する表面積が骨に接する表面積より小さく非対称な二重円錐形をしています。加えて、磁石筐体を収める受信コイル部分が同様の形状になっているため、磁石の予期しない脱落を防ぎ、一方向のみの挿入および取り外しができるようになっています。

 <磁石の形状> 

 

3. 強化リング

SONATA以降のインプラント(CONCERTOSYNCHRONY)には、磁石の周囲にポリマー製の強化リングを付けることによって、磁石にかかるトルクが送信コイルに広く分散されるように設計されています。

 <強化リングによるトルクの分散>

[強化リング無] [強化リング有] 

 

4. 磁石の取り出し方向

磁石を取り出し可能なSYNCHRONY以外の人工内耳の磁石は外側に取り出されます。

それに対して、SYNCHRONYの磁石は、内側にのみ取り出されます。受信コイル部分から磁石を取り出すには、特別な器具が必要です。

 <磁石の取り出し方向>

 

上記の情報は、https://www.youtube.com/watch?v=er8kvMusq7Q から改変しています。


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