1)CT画像への影響 ボースデルには塩化マンガンが含まれていますのでCT値は約20に描出されますが、画像に影響を及ぼすことはありません。
2)副作用への誘因 現在は一般的に非イオン性造影剤が使用されていますので副作用の発生頻度はそれほど多くありません。嘔吐のリスクは、CT造影検査直前に希釈したガストログラフィンを飲用していただく場合と同様だと考られます。検査前3時間程度の絶食によって固形物が胃内になければ、ガストログラフィンの飲用が嘔気を促進することはほとんどないと考えられます。ボースデルの飲用もこれと同様と考えられますので、ボースデル飲用による誘因よりもヨード系造影剤そのものによる副作用を第一に考慮する方が賢明だと考えます。
3)ちなみに 嘔気・嘔吐は、一般的に血液中に入った化学物質が延髄嘔吐中枢(化学受容器引金帯)を刺激して発症すると言われています。また、イオン性造影剤は造影能に関しては良好であるが、高浸透圧のため副作用(熱感や血管痛)が多く発生するため、血漿浸透圧に近い浸透圧の低い非イオン系造影剤が用いらています。