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腹腔鏡下のヘルニア修復術等に用いる、メッシュ固定のためのタッカーについての質問です。

添付文書によると、使用しているタッカーにはステンレス鋼が含まれており、MRIに関して下記のような記載があります。

●ファスナは、下記の条件において磁気共鳴撮像(MRI)への適合性が確認されている。

 - 3 テスラ以下の静磁場であること

 - 1,000 ガウス/cm 以下の最大空間磁場勾配であること

 - 4 W/kg の全身平均熱吸収率比(SAR)で 15 分間の撮像であること

●非臨床試験により、3 テスラの全身用 MRI システムにおいて全身平均熱吸収率比(SAR)2.7 W/kg 下で 15 分間撮像した結果、温度上昇は 2.5 ℃であることが確認されている。

業者に訊いたところでは、通常臨床で一般的に使用されるMRIでは上記条件は特に問題とならない場合が多いとの回答ではありましたが、「基本的にMRIは施行可能」と考えてよいものかどうか、判断に困っております。

お返事お待ちしております。よろしくお願いいたします。
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回答 1

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基本的にMRIの施行は条件付きで可能と考えることができるのですが、1000ガウス/cm以下の最大空間磁場勾配および4w/kgのSARで15分以内が示す意味をMRIを操作する技術者として知っておいてください。

最大空間磁場勾配(静磁場における空間の最大傾斜磁場)は、水平静磁界のガントリ開口部付近の偏向角が最大となる位置の値を言い、1.5T装置であれば800ガウス/cm前後、3.0T装置であれば1200~1800ガウス/cmと言われていますが、装置によって異なりますので自施設の装置の空間勾配磁場分布を調べてください。3.0T装置のガントリZ軸中心から約40cm以内なら1000ガウス/cm以内に収まるので、その範囲なら吸引に関しては大丈夫ということなります。発熱に関してSARが4w/kg以下というのは、ボリューム送信コイルの場合の第一次水準操作モードの全身SARの制限値であり、身体部分の通常操作モード2~10w/kgの範疇にはいる値です。したがって通常操作モードを用い、身体部分のSARが4w/kgを超えないように撮像すれば問題ないという判断ができます。 

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