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現在ノーズワイヤーには、プラスチック製や金属製のものがあります。外観からは非磁性か磁性かの判断がつかないので、入室前に金属探知機を利用して反応がなければ非磁性と判断して検査可能という認識で問題ないでしょうか?
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今回のFDAからのマスクの火傷事例に関して、下記に報告されています。

https://www.fda.gov/medical-devices/safety-communications/wear-face-masks-no-metal-during-mri-exams-fda-safety-communication#:~:text=The%20FDA%20recommends%20patients%20wear,any%20metal%20during%20an%20MRI

火傷は、ノーズワイヤ部分ではなく口を覆うマスク本体部分の金属糸からの発熱です。抗菌コーティングに使用されているナノ粒子(超微粒子)や金属(銀や銅など)が作用した可能性があります。状況としては、3T装置で頸部を撮像していた時だと記載されています。

金属探知機では、抗菌コーティングに使用されている導電性金属にまで反応しきれないと推測しますので金属探知機(磁性探知機)でのチェックには限界があると考えます。したがって、被検者のマスクに金属が含まれていないことを確認できない場合は、医療側が金属の含まれていないマスクを提供することが推奨されます。

「安全なMRI検査を考える会」では、マスクの吸引試験と発熱試験をしたことがあります。吸引試験では、ノーズワイヤに金属が使用されているマスクの吸引はありましたが、質量が小さいため吸引力はさほど強いものではありませんでした。また抗菌コーティングされているマスクや銀マスクに湿気を与えてマネキンに着用させた発熱試験では、ほとんど発熱は認められませんでした。今回の火傷事例時の使用コイルの記載があリませんが、頸部専用コイルの上端がちょうどマスクの口あたりに接するか接しないかの状況下にあれば、発熱の可能性は大いにあります。頭部専用コイルの下端でも同じ状況が考えられます。

今回の場合、どのような誘導電流ループが発生したかを推測すると、やはりコイルとの接触が考えられます。マスクの抗菌コーティングが誘発になったかもしれませんが、マスクがなくても唇や顎の先端が頸部コイルや頭部コイルに非常に接近している場合に、発熱する可能性もあることを念頭に入れておく必要があります(肘頭がボディコイルの側壁に接して発熱した事例と同じです)。


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