微弱なNMR(Nuclear Magnetic Resonance)信号を取得するには強くて均一な磁場が必要になります。これを静磁場(せいじば)と言います。
スピンを外部磁場中におくとプロトンなどスピン1/2の核種は2つのエネルギー準位に分離します。例えば3Tでプロトンのスピンが27℃の時に上の順位に1,000,000個のスピンがあると、下の準位には1,000,020個とわずかに10ppmの差しかなく、この検出感度をあげる第一の手段が外部磁場強度を上げることです。MR装置は、この微弱な電磁波を検出しなければならないので、MR室は外部からの雑音(ノイズ)を遮断する構造になっています。さらに磁場均一性(10ppm以下)を高めるために補助コイル(シムコイル)を配置しています。
ヒトを格納できる大きくて安定した強い磁場を生成することは容易ではなく、現在は超電導磁石と永久磁石装置が主流です。