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骨盤部MRI予定の患者様が歯列矯正を行っており、歯科にMRI可能か確認をお願いしましたら、歯科より「装置を外した方がいいのか判断付かない、材料の会社にも問い合わせしたが、はっきりとした回答を得られず」とのお返事と、装置の材質の成分表などがFAXされてきました。

歯科矯正のブラケットの材質はSUS630(JIS規格)。

SUS630(JIS規格)は析出硬化性ステンレスのことで、強い磁性を持っており、トラブルが発生しないように磁気を扱う場所では使えない、と記載のあるものがネットにありました。

当院でも材料の会社に問い合わせをすると、頭頸部のMRIの時は外していただくように説明することはありますが、他の部位の撮像では通常は外さないで検査することが多いと思います。熱を帯びる可能性はあると思いますが。大丈夫であるとのコメントはありませんでした。

ブラケット自体は個々は小さく通常歯にがっちり固定されているものですが、強磁性体でありMRI室/ガントリー内に入っても移動および熱傷(口腔粘膜に接しているため)など、検査は大丈夫でしょうか。
歯科インプラント・義歯

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まず、当該患者様の骨盤MRIがどうしても必要かを主治医と相談して判断をしてください。

必要であるとなれば、主治医と共にリスクを承知のうえで実施するとの認識を共有してください。ブラケットは磁性を持っていますが、一般的に歯に強固に固定されているため動くことは予測しにくく、発熱が起こる可能性も低いと推測します。しかし、変位力やトルクが強く働くのは事実ですので、ガントリーに近づく時や骨盤部にポジショニングした後に口腔部分が静磁場によって吸引力や回転力を感じないかを確認してください。患者様にはエマジェンシボールを持っていただき、検査中に口腔周辺に違和感を感じれば即時に知らせるように伝え、通常操作モードでMRIを実施してください。もし、検査中に違和感の申し出があればすぐ検査を中止し患者様の状況を確認してください。

以上、一応検査が可能である旨のコメントを記しましたが、あくまでMRI実施については、当該施設の責任において実施をしてください。
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