SAR2.0W/kgにて15分間撮像した際に0.5℃以内の上昇を認めたと添付文書にある場合、0.5℃を体内深部温度だと解釈する時の撮像は「通常操作モード」に則ることになります。「第一次水準操作モード」で可能な医療デバイスは多くありませんので、添付文書に「第一次水準管理操作モードで可能」との記載がない限り「通常操作モード」で撮像するのが原則です。
成人に4.0W/kg以下のSAR値で高周波を30分までの照射で、体内深部温度が1℃上昇するという考えを基本に、実際には体内深部温度を測定するのが難しいので、通常操作モードでは最大全身SARが2.0W/kg、第一次水準管理操作モードでは4.0W/kgという上限値で装置からの加温の影響をコントロールしなければなりません。
SAR2.0W/kgにて15分の撮像で1℃の上昇を認めたと記載のある場合、これを体内深部温度だと解釈すると、体内深部温度が照射時間に比例して上昇すると仮定するのなら7.5分の撮像なら可能かもしれません。しかし、これがステントそのものの上昇温度を示しているのだとするのから、SAR2.0W/kgで15分の制限を遵守していれば撮像可能となります。
今回の質問の場合、上昇温度として記載の温度が何の温度を示しているかによって解釈が異なってきます。しかしながら、いずれにおいても「通常操作モード」で撮像しなければならないのは変わりません。