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MRプロテクターが販売されていますが、利用すれば発熱に関して安全に検査ができると判断して良いのでしょうか?

医療機器・器具
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MRIプロテクタとは、防水ナイロン素材の中に非磁性の銀繊維素材を六角形状のトリコット編みにしたものがインサートされ、電磁波(RFパルス)の暴露量を80%以上低減し、ループを通過する電磁波(磁束)を約100分の1にするので、体内金属や刺青などからの発熱のリスクを小さくすることができる。臨床実用例においても正しく着用していれば事故例はない。と製品説明に記載されています。

添付文書には安全性に関する発熱試験を実施したことは記載されていませんが、MRI非対応のペースメーカ等の装着者には使用しないことと記載されています。覆った部分からの信号が得られないので、磁束が完全に遮断されているように思えますが、Z(頭-足)方向の磁束(電流の流れ)が遮断されていないので完全に安全であるとは言い切れません。

したがって、MRI禁忌である機器に対する使用は不可能であり、条件付きMRI対応の医療デバイスや発熱の危険性のある物質には、これまで通りの対応とするのが無難だと考えます。特にRFパルスの照射野内にプロテクタを置くと人体からの反射波が得られないため、覆われていない部分へのRFパルスの過照射が起こりますので非常に危険です。RFパルスの照射野内にプロテクタを置くことは禁忌だと考えた方がいいと思います。

このプロテクタは、健康体への電磁波暴露を過剰に懸念する方への着用や未確認の体内デバイスが体幹部にあって頭部のMRIをどうしても実施しなければならないなどの状況の被検者、折り返しアーチファクトを抑制などへの適応が考えられます。


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