麻薬貼付剤の取扱いに関するガイドラインなどは磁気共鳴医学会にはありません。MRI Safety Forumからの回答も絶対的ではなく、貼付剤に記載の安全に関する事項とMRIの原理的な作用とを鑑みて最善の対応方法を提案していると捉えてください。
麻薬貼付剤の場合、温度が上昇すると麻薬の効力が変化するとの記載が添付文書にあるため、MRI検査ではRFパルスによる体温上昇と貼付剤に対して誘導電流が流れ局所的に発熱する可能性があるので危険であるとの見解を述べています。
MRI検査による誘導電流は火傷を起こすぐらいに発熱することもありますので、入浴温度より高いと推測します。また、どのような貼付剤やMRI対応と称されている体内金属であってもMRI検査に安全であるとは、絶対に言い切れず、少なからずリスクがあることを認識してMRI検査を実施しなければならないと考えています。
安全にMRI検査を実施することとは、いかにリスクの程度を知って対応できているかに尽きると思います。不幸にして事故が起こった場合に、その時、担当者ならびに組織として「いかに最善を尽くしていたか」が最も問われることだと認識して普段から業務に臨むのが重要だと考えます。
あくまで個人的な見解ですが、以上のようなことを参考に貴院の取扱いルールを決めていただければと思います。