同じ規格に基づいて製造されたデバイスでも、その合金比率や添加物、デバイスの形状、組み合せ等により安全性は変化することが知られています。例えば、「チタン合金」の「体内固定用プレート」でも製品によって安全性評価試験の結果は様々であり、実際に添付文書に表記されているSAR等の規制値や、発熱の値はそれぞれです。一方で、MR装置メーカが遵守しているIEC60601-2-33「磁気共鳴画像診断装置の基礎安全及び基本性能に関する個別要求」では、MRシステムおよび MR装置について,検査を受ける患者の安全,操作を行うMR作業従事者の安全ならびにMRシステムの開発,製造,据付およびサービスを行う MR 作業従事者の安全に関する技術的な側面について規定されていますが、体内留置される個別のデバイスの安全性までを包括した規格ではありません。こういった背景から、同素材・同用途の製品であっても、MR装置メーカ側の何らかの設定で安全なMR検査を担保することは難しく、個々の製品ごとにMR安全性の評価が必要であると考えます。