湿布やニトロダームなどの貼付剤については、熱傷を負わせたという事故報告があったのでMRI検査を受ける際には剥がすという対応を推奨しています。
熱傷の原因は、誘導電流によるループができて金属の末端部分やループを形成する電流の流れを阻害する点接触になった箇所から発熱するからです。ニトロダームなど皮膚接触面が金属の製品はその部分に熱が集中しやすいという状況にあり、湿布では塗布剤と皮膚との間の電流の流れに抵抗が生じた場合に発熱します。したがって、皮膚接触面が金属でない場合も危険性がゼロではありません。
また、麻薬貼付剤の添付文書には、温度が上昇すると麻薬の効力が変化するとの記載があるので、MRI検査ではラジオ周波数パルスのために体温が上昇するとともに、上記のように局所的に発熱する可能性があるので剥がしての撮像を推奨しています。
入浴時に剥がす貼付剤にも同じ現象が発生しますので、剥がしてのMRI検査が推奨されます。これらは現場の技術者としての見解であり、貼付剤の剥がすことのディメリットと剥がさなかったことのディメリットを天秤にかけて最終的に医師が判断する事案と考えます。 