人を格納できるサイズで安定した強い磁場を生成することは容易ではなく、永久磁石や常伝導磁石では達成される最大の磁場強度が比較的低いために、高磁場MRI装置には超伝導磁石を用います。ヘリウムは、コイルを冷却し超伝導状態(電圧がゼロ、抵抗がゼロ)を生むために用いるのですが、最近発売されたヘリウムを使用しない超伝導磁石は(構造は明らかにされていない)、超伝導状態をこれよりも高い温度で達成できるコイルを用いているか、ヘリウムを使わない冷却方法を編み出したのだと推測しています。
従来から高磁場MRI装置には、「吸引・回転力」「発熱」「神経刺激」「騒音」「窒息」の危険性がありますが、ヘリウムレスになると「クエンチ」を起こしませんので「窒息」の危険性がなくなりますが、それ以外は変わりません。今回の新しい技術によって新しいリスクが生まれるかは不明です。
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