確かにパソレータテープの添付文書には、温度上昇に対して薬剤の作用が変化するなどの記載はありません。しかし、貼付場所が胸部や腰部・上腕部なので、テープが隙間なくピッタリ貼付されていなければ発熱する可能性があります。一方、急に投与を中止した時に症状が悪化した症例が報告されているとの記載もあります。
安全性を優先するのなら、剥がして検査を実施するのが最善ですが、このテープを剥がすには患者の状況を見極めるとともに医師の許可が必要です。もし、剥がさずに検査をせざるを得なくなった場合には、実施者は危険性を重々理解したうえで、患者には火傷の危険性があることを十分に説明して、発熱のリスクの最も低いシーケンスを選択して検査をすべきと考えます。頭部検査の場合でも受信専用頭部コイルを使用する場合は、胸部付近までRFパルスが照射されていることにも注意を払ってください。
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