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体内に埋め込む金属のconditionalは概ね空間地場勾配とsrewrateですが、空間地場勾配ではガントリへの出入り時の地場変動dB/dTによる渦電流を考慮したものと考えてよいでしょうか?であるならば地場勾配を設定する代わりにガントリ部の寝台移動スピードをゆっくりにして対応してもよいのではと思いますが、ご意見頂戴したいです。
体内金属

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スルーレート(slew rate)[T/m/s] とは、最大傾斜磁場強度[T/s]に至るまでの応答速度であり、MRI検査中のRF傾斜磁場の強度の変化をあらわしますので、時間あたりの磁場の変化率[dB/dt]が関与する寝台移動スピードとは異なります。

体内デバイスの規制値にはスルーレートが記載され、多くが200T/m/sまで大丈夫だと記載されています。操作者がスルーレートを任意に操作することはできず、スライス厚やエコースペースの設定で自動的に設定されます。最大スルーレートは装置の仕様(性能)のひとつであり、高性能なMR装置だとだいたい最大200T/m/sですので、一般的な体内デバイスのスルーレートに対する規制はクリアされます。しかし、200T/m/sを超えるスルーレートを持つ特に高性能なMR装置も出現してきています。その装置を使用する場合は、スルーレートを200T/m/s以下に設定を変更する必要があります。

磁場の変化率[dB/dt]は内耳リンパ液に影響を及ぼし、めまいを起こすと言われています。その影響を最小限にするために超高磁場装置(7T装置など)では寝台移動速度を特に遅くしています。3T装置でもガントリ入口付近で頭を強く振るとめまいを起こすこともあるようです。

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