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JISZ4951:2025が発行されました。

JISZ4951:2017との変更点と注意すべき点をご教授ください。
装置管理
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JIS Z 4951:2025(第4版)では以下の事項が改訂された。

1.操作モード

各操作モードの定義が変更され、通常操作モードは「特定の電磁場によって誘起される生物物理学的な影響が通常無視できる操作モード」、第一次水準管理操作モードは「生物物理学影響に関するリスクを医療管理(MRI検査中に資格のある職員が視覚的・音響的手法などを用いて患者の状態を監視すること)で軽減できるモード」、さらにこの操作モードに入る前にSAR,PNSなどに関する情報を表示する必要がある。第二次水準管理操作モードは、臨床研究にのみ許可され、研究責任者の許可がなければこのモードに入れないように保護手段(キーロック)などを設けなければならない。となった。

2.静磁場(漏洩磁場・クエンチ)

漏えい静磁場管理区域の名称が「立入制限区域」から「B0ハザード区域」に変更され、この区域の外側への漏えい静磁場強度が「0.5mTを超えない」から「0.9mTを超えない」に変更された。また緊急減磁装置について、いかなる状況でも安全に減磁できるよう冗長設計を備えるのが必須となり、自己点検機能や作動スイッチの仕様やラベル、外装、使用ケーブルなどに関する要求も追加された。

3.傾斜磁場(騒音)

MRI検査室内のMR作業従事者の作業位置における音響エネルギーに関して、8時間の等価音響レベルを開示しなければならなくなった。

4.高周波磁場(発熱)

MRI装置がSARを積算して120W・min/kg(7200J/kg)を超えた時点でユーザインターフェイスに表示して操作者に知らせなければなない。ただし、その後の撮像の継続は操作者の判断による。

局所SARの安全コンセプトに、CEM43(cumlative equivqlent minutes at 43℃)が追加された。43℃での累積等価時間(43℃での曝露時間)を表わし、発生が予測され熱誘発性の生体影響の大きさを示すが、現状では高周波磁場制限としての概念の紹介にとどまっている。

5.MR作業従事者

MR環境に立ち入る者は、職務において適切に選別され訓練および指示を受けた者となった。曝露上限は患者に許容される値と等しくなっている。ただし、MR作業従事者にMRボランティアや患者付添者などは含まれない。

6.条件付MRI対応心臓植込みデバイスなどを装着した患者の撮像

MROC(MR equipment output conditioning:MRI装置出力条件設定)が導入され、パラメータセットを固定するのではなく、植込み物ごとに添付文書に記載されたRFコイルのタイプ、RF偏波、最大B1+RMS、最大傾斜磁場スルーレートの許容値などを操作者が指定することができるようになった。

(参照文献:小林靖宏:最新のMR安全規格とその動向,インナービジョン 2025(6)55-57)

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